2006年3月7日午後9時30分。
享年2歳3ヶ月(推定)。
 
 
おくさまがおっしゃまの元へ旅立ちました。
 
 
 
うちにやってきたのはちびっちが2歳の時。
ちいさなちびっちが、ちいさな赤いかごをブンブン振り回しながら走って帰ってきました。
中にはちいさなジャンガリアンハムスターが。

「聞いてくれよ〜。コイツ189円で売られててんで。かわいそうやから、俺が買ってやってん」

これがぱぱっちの言い訳でした。
扶養家族を相談もなしに増やすなんて!!って怒ったのを覚えています。
でも飼っちゃったんだから責任を持って育てよう。
名前は「おくさま(3)」です。

 
そう(3)。
アタシとぱぱっちは独身時代にもジャンガリアンハムスターを買った経験があるのです。
名前はみんな「おくさま」
うちにやってきたジャンガリアンハムスターは全て「おくさま」なのです。
(1)も(2)も短命でした。
きっとこの子も……。
まだ(2)を死なせてしまったショックから立ち直っていなかったアタシはこの子との関わりを今までのおくさまとは違う関わりにしよう。そう心に決めました。
 
お散歩はさせない。
あまり触れない。
ただごはんをあげて、おくさまの過ごしやすい環境づくりだけ心がける。
淡白な付き合いでした。

 
でも
そんな淡白な付き合いなのに関わらず、おくさまはいつ頃からか心を開いてくれているように見えました。
ごはんをあげるとき「おくさま〜」と呼ぶと寝ぼけた顔で小屋から出てきて、エサ箱にごはんを入れるアタシの手にじゃれ付いてきました。
ごはんの好みもわかりやすい子で、今までのおくさまの時は考えたことのない「おくさまメニュー」も考えるようになりました。
 
おくさまの好きなものは

ヒマワリの種
乾燥マンゴー
ニボシ
乾燥野菜
そして米パフ

いろんなエサを買ってきては、いろんなものを食べてもらいました。
毎日エサ箱は嫌いなものとヒマワリの種の殻だけが残されてました。
栄養が偏らないように毎日気を使ってましたが、2歳を超えてからは「もう寿命は近いはず。好きなものをいっぱい食べてもらおう」とヒマワリとマンゴーの量を増やしてあげることにしました。
 
それが最近、ヒマワリを全く食べなくなりました。
もう殻を割ることが出来ないのかもしれない。
殻剥きのヒマワリや殻なしのえん麦、そしてマンゴー、柔らかくて食べやすい米パフを中心にあげていました。
日に日にごはんを残す量が増えていくけれど、少しでもおいしいものを食べてね。
そう思いながら。
 

たまたま昨日はちびっちの体調不良で店を休み、一日家にいました。夜行性のおくさまが昼間も起きてきて、エサ箱のごはんのお好みのものを発掘する姿や回し車でゴキゲンに走り回る姿も見られました。
そして今朝も。
タッタカタッタカタッタカ…がんばって廻し車を廻す姿。
朝なのにがんばってるね。おくさま。
 
 
それが元気に動き回るおくさまの最後の姿でした。
 
 
異変に気がついたのは晩ごはんを作り終わって配膳しているとき。
いつもどおりヒーターの上で寝ているおくさま。
でも
目が苦しそうに見開いていました。

ああ、今日だったんだ。
呼吸を示す腹部の動きが途切れ途切れに。
時に足を苦しそうに伸ばしたり、何かを掻き毟る様に動かしたり、ほとんど音にもならないようなか細い声で「キュゥゥ」と鳴いたり……

もういいよ。楽になりなよ。力を抜いて眠りなさい。
 
でもおくさまは最後まで生きようともがき続けました。
歯を剥き出し、つめにめいいっぱい力を入れて、
動かない肺を懸命に動かし、止まろうとしている心臓を懸命に動かそうとしているようでした。
 
目を逸らしてはいけない。
ちびっちと二人、黙って見守りました。
 
おくさまの異変に気がついてから小一時間後。
「クゥゥ」と一声あげた後、おくさまの動きが完全に止まりました。
 
 
 
 
よくがんばったね。つらかったね。
たのしかったね。だいすきだったよ。
またうちにおいでね。
またいっしょにくらそうね。
おっしゃまにだいじにしてもらうんだよ。
 
 

 
 
 
どうか天国でお腹いっぱい大好きなマンゴーをいっぱい食べてね。
ありがとう。おくさま。
ちいさなあなたから、いっぱいの幸せもらったよ。

コメント

ソニック
ソニック
2006年3月7日22:29

読んでいるうちに思わず涙が。。。
きっと天国でおくさまが
これからもちびっちとめぐさんを見守っていることでしょうね。

ブログ脳外科医
脳外科医
2006年3月7日22:35

動物って言葉がしゃべれないからよけいに見送るのがかわいそうですよね.
小学校一年の時に幼稚園に入ったときに家に来た猫が交通事故で死んだ時よりも小学校五年から大学卒業まで毎晩一緒に遊んだり勉強したりしたセキセイインコが死んだ時のほうがすごく悲しかったことを思い出しました.

めぐさん
めぐさん
2006年3月7日22:37

【ソニックさんへ】
すぐに気がついてくれたんですね。ありがとう。
ソニックさんは確か先代のおくさま(いや、先々代も?)の頃からご存知ですもんね。
いつか来る、もうすぐ来るとわかっていたこの瞬間ですが、覚悟は出来ていたつもりでもやはり悲しみが止まりません。
ソニックさんの言うとおり、きっと見守ってくれると信じて。
…ホントありがとうね。

めぐさん
めぐさん
2006年3月7日22:41

【脳外科医さんへ】
早速のコメント、ありがとうございます。
たかがハムスター。でも大切な家族でした。
おくさまはアタシが帰ってくるまで待っていてくれたんだなって思ってます。
辛かったけど、キチンと見取れたことはよかったと思っています。
ありがとうございました。

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